朝、Corryong（コリヨング）を７時３０分に出発。霧がすごいが、高いところは快晴である。Khancoban（カンコーバン）でチェーンを借りる。ここから先は峠越えになるのでチェーン携帯が義務づけられている。街を出るところで、道路で何か餌を食べているオウムをはねてしまった。猫はひいたことがあるがオウムをはねたのは初めてである。峠までは雪はないものの、霜が降りていて橋の上や日陰のカーブなどが滑りやすい。峠では、うっすらと積雪はあったものの、砂利がまいてあってチェーンをつけるまでもなかった。
Thredbo（スレドボ）を過ぎ、Ski Tubeの駅に車を停める。ここから、Ski Tubeという電車に乗ってPerisher（ペリッシャー）へ向かう。電車はアプト式鉄道で斜面を登り、すぐに南半球で最も長いトンネルに入る。やがてゲレンデの地下の駅に着く。
ノルディックシェルターでテリーに会う。テリーに「今日のレースはPin-Oだ」と言われる。ルールは簡単に言うとラインＯらしい。植生まで詳しく入った地図にコースを書き写していき、コントロールフラッグに付いている安全ピンでコントロールの場所を地図に穴を開けてくる（雪の中ではペンなどは使えないので）らしい。１ｍｍずれる毎に３０秒のペナルティーが加算される。
スタートすると２００ｍも行かないうちに最初のコントロールがあった。はっきりとした場所はわかりにくかったが、すぐ前に分岐が見えたので、その少し手前の林のそれらしいところにピンをさす。
分岐を右に曲がり、坂を登る。すると右手奥にコントロールが見えたが、距離からすると帰りのものらしい。ここを左に曲がると、正面に小屋が見えた。小屋の方へ向かうと、左手の木にコントロールが見つかった。ここは、左手の林は１カ所なので文句なく穴を開ける。
小屋を左に曲がり、ここからは長いくねくね道。途中、さらにコントロールを発見。近くの岩とオープンとの位置関係から地図にピンパンチ。
２００ｍ進み、下からきた道と合流し右へ曲がる。ここからオープンが続くところをしばらく登る。ここは、ポストをつける木もないので、とばして登っていく。広いオープンとオープンの間の木にフラッグを発見。しかし、安全ピンがない！仕方がないので、場所を暗記して次のコントロールへ進む。ピンが違うからペナと言うこともあるまい。
やがて、ピークを越え、ここから下りとなる。またまた広いオープンが続き、ぽつりぽつりとセミオープンの感じで木が生えている。このオープンとセミオープンの境界の植生と圧雪されたコースだけが位置を確認する頼りになる。傾斜はあるがクロカンでスムーズに進めるだけの傾斜なので位置の確認には等高線はあまり役立たない。おまけに下りなので、だまっていても進むし、下手すると（上手けりゃなおさら）スピードが出てあっという間にすぎてしまうので距離がわかりにくい。
次のコントロールは、このくねくねとしただらだら長い下り坂の途中にあった。フラッグが見つかったはいいが、いくつ目のカーブなのかはっきりしない。しかも緩いカーブなので地図に記されたカーブかどうかもはっきりしない。クロカンのコースは、圧雪車が通ったところにできるので、毎日同じところにできているとは限らないのだ。仕方なく、２００ｍほど戻って位置を再度確認する。フットと違い、固く圧雪された雪上のオープン２００ｍというのは、結構あっと言うまである。平地で３０秒程度、急な下りなら２０秒もかからず行ける。
こんなコントロールをいくつも繰り返し、ラスポは来るときに見えたフラッグである。ここからは、ペンション風のロッジが建ち並ぶ中の道路を、雪上車がこないか注意しながら滑り降りてゴール。細かい地図読みばかりで、全力で走りきった感じでなく、疲れも残らない。スピード感もなく、物足りなさを感じながら終わったが、雪上での練習の機会が少ない彼らにとっては、初心者でも完走（完歩）できる設定だし、地図読みを主体としているのでフットオリエンティアーからの入門用としては最適なのかもしれない。日本でやるならば、一つのジャンルとして併設か何かでやってもいいかもしれない。これならば、もっと多くのフットオリエンティアーに楽しんでもらえると思う。
ところで結果だが、ラス前ポスト（９つ目）で９ミリのミスをして４分３０秒の時間を足されたため、５位であった。