スタートは、午前10時40分頃。一直線に目標を目指す。1つ目は、すんなりと見つかった。次のポイントは、1.3km先である。山を5つ越えた先にポイントがある。方角を一定に保ち、湿地のミズゴケやワタスゲなどを平気で踏みしめながら(最初は抵抗があったが、どこにでもあるとすぐに平気になる)進む。やや手こずったものの程なく見つかった。3つ目は、すぐそばなので簡単。比較的スムーズに8つ目まで見つかった。
道路を渡るところで給水。道路の反対側の山の向こうには、ドーナツ状の湿原があり、それを取り囲むように小さな山がポコポコとある。その1つの山の西斜面に次のポイントがある…はずだった。しかし、無い。もう一度山頂に上がり、西へ探すこととした。
ところが、西へ向かうと崖に挟まれた小さな溝のような地形があった。これは、山にたどり着く前の溝だ。まだ進む距離が足りなかったのか。そこを越えるとコントロールマークの旗があったが、番号もパンチもない。不思議に思ったが、自分の探しているものではないので、関係はなさそうだ。さらに進み、最高部分に到達した。そこから西へ進み、もう一度探す。しかし、何回やっても見つからない。もう一度湿原に出てみることにした。そこには、小さな島(というのは正しくはないが)があった。そして、ドーナツの真ん中には、伐採地がある。島?伐採地との位置関係が変だ。やがて、自分がいるのは、ドーナツ湿原の東側ではなく、北側にいることに気づいた。まちがうのも無理はない。山の高さは、湿原より5m高いだけなのだから…。それに、空腹時には判断力は鈍り、体はきちんとした方角を向いていても、足が斜めに進んでしまっている。そう思うと、すごく腹が減ってきた。しかし、森の中には、食べ物はない。
次第に起伏が心なしかきつくなってきた。やっとの思いでゴールしたときは、スタートから約4時間後。腕時計のカウンターは、2万1千歩を越えていた。オリエンテーリングがこんなにハードなスポーツだとは知らなかった。